「読むeラーニング(行政書士講座)」第1章 憲法~基本的人権その4
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第1章 憲法~基本的人権その4
さて、ちょっとここで判例を見ていきたいと思います。この判例は何かと言いますと、八幡製鉄、これは政治献金事件です。
この時に何が問題となったのかというと、人権というのは国民の権利義務として保障されています。第3章、国民の権利及び義務という表題があって、その後にずらずらといろんな表現の自由とか学問の自由とか様々な人権が定められている。
じゃあ、この国民が人権の担い手である、人権の享有主体という言い方をしますが、担い手であるということはわかるんですが、株式会社、八幡製鉄という株式会社なんですが、株式会社はその人権の主体なんですかといった問題の事件があります。
これはですね、何かというと当時八幡製鉄が自民党に対して多額の政治資金を寄付したんですね。あまりの多額の政治資金の寄付に対し、八幡製鉄の株主がその寄付はけしからんと言ったわけです。
要は、会社の利益は株式で、株主はどんどん配当で欲しいのに、こんな政党にこんなに多額に寄付されたならば、とんでもないと言ったわけですね。
何を言ったかというと、民法90条に反しないかと。政治資金の寄付は民法90条に反しないか。90条というのは公序良俗に反する行為は無効とするとやっているんです。
要は、公序良俗に反するんじゃないかと言って争ったんですね、無効だと。その時の理屈は、要は参政権は国民にのみ認められているんでしょうと。
この憲法に反するんじゃないですか、会社は別に政治活動の自由なんて保障されていないじゃないですか、国民だけが権利をもっているんでしょう、にも関わらず、なんで会社が政治資金を寄付できるんだと言ったんですが、最高裁はなんと言ったか、憲法第三章に定める国民の権利および義務の各条項は、性質上可能な限り、法人にも適用されると。
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【講師 葛原久美(くずはら くみ) プロフィール】
株式会社ベリース代表取締役。明治大学リバティーアカデミー講師。Windows95の時代から司法試験、司法書士、社会保険労務士、マンション管理士など、主に法律系の教材を中心にeラーニング教材開発に携わる。司法書士など、より難易度の高い法律系の資格受験者が合格者が多くを占めると言われる行政書士試験(一般の合格率は6~9%)において、主に初学者を対象とする講座にもかかわらず、一般の合格率を毎年超え続ける実績を持つ。
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