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例題6:格差社会(自由記述型・論文・テーマ・型その1)【基礎小論文講座】

05例題6:格差社会(自由記述型・論文・テーマ・型その1)

それではここから例題6、格差社会をテーマにした問題を解説していきます。
自由記述型の論文タイプ、そして今回はテーマのみの問題になります。
早速問題です。
すごくシンプルに、格差社会について論ぜよ、ということですね。
もうこれだけポーンと投げられた時なんですけれども、これもですねこの引用、判断、根拠、提案ですね、この形でもってつくることができます。
じゃあどうやってつくっていくかということなんですけれども、まず設問分析していきましょう。
当然のことながら論文タイプで、自由記述、今回がテーマのみですので、自分の知識に関連づけて論ずると思ってください。
格差社会についてどんなことがニュースで言われているか、どんな意見があるかというのをパーッと頭の中に思い出してくださいね。
それが出てこないとなると、ちょっと問題があります。
そしたらば、少し情報を集めてきたほうがいいかもしれません。
こうやって自分の知識に関連づけて論じなきゃいけないわけですね、この問題はね。
じゃあプロットをつくっていきましょう。
まず引用なんですけれども、どういうふうに引用文を書くかと。
今回は、与えられた資料がありませんので、社会的文脈を引用します。
例えばこんな感じ。
現在、日本は「格差社会」になりつつあると言われている、ということですね。
よく引き合いに出されるのがeg.(ピケティ)の「21世紀の資本」という本ですね。
この本を非常にショッキングな内容で、この本が格差社会の話が出てくると必ず引用されたりしますね。
その本の中には、日本はもうすでにアメリカに次ぐ貧困率だというようなことが書かれていたりもします。
なかなかショッキングな状況があるわけなんですね。
これをまず社会的文脈として引用するということですね。
そしたらば、それに対して判断を下す。
どう判断を下すかということなんですけれども、ではこの問題を解決するためにはどうしたらよいか。
実はこの部分、問題提起です、問題提起。
格差社会になってます、日本はアメリカに次いで貧困率が高いです、っていうのに対して、それに対して何か言うってなかなか難しいです。
なので、ここでどのように解決したいか、解決するためにはどうしたらよいかという問題をつくるわけです。
問題をつくるわけ。
こうやって問題提起をしておいて、さまざまな解決策が求められるが、もっとも根幹に置くべきなのは「教育の充実」である、と判断を下す。
格差社会になってますっていう社会的状況があって、社会的文脈を引用しました。
それだけじゃデカすぎるから、この問題を解決するためにはどうしたらよいかという問題提起をします。
問題提起をした上で、もっとも根幹に置くべきなのは「教育の充実」である、という判断を下すという論法になっています。
そうやって判断を下したならば、なぜ教育の充実が問題解決につながるのかという根拠をあげる。
例えばこんな感じですね。
なぜなら、教育のみが本質的な社会の流動性を生み出すことができるからだ、と。
所得による階層を逆転させる可能性があるのは教育だけである、ということをここで書くということですね。
勉強すればですね、何か新しい価値を生み出すことができるようになってくるわけなんですね。
でも勉強する機会そのものが与えられなければ、そうやって逆転する可能性が閉ざされてしまうわけですね。
教育だけが本質的な流動性を生み出すことができるんだということを、ここで根拠で挙げるということです。
じゃあ、どうやって教育を充実させていったらいいか、ということで、ここで提案が出てくるわけですね。
じゃあどんな提案をするか、たとえば片親家庭の子どもなどには今以上に教育に関する支援を与え、経済的なハンディを感じさせないようにするべきだろう、と。
奨学金とかありますけれども、日本ぐらいなんですね、こんなに貸付型の奨学金が多いのはね。
それで結局、皆借金になっちゃって大変になってるみたいな状況、今あります。
だから、どんどんどんどん今度は無償でもって援助するべきだ、みたいなのがここにあるんでしょうね。
その下、また子どもだけでなく、成人にもキャリアアップのための教育を、経済的なことを考えずに受けられる機会を保証するべきである、というですね、この動きは確かにあるんですけれども、一生学び続けなきゃいけないのが現代です。
最初に、若い頃に学んだことだけで一生食っていけるというのはほとんど無いと思ったほうがいい。
途中で新しいことを学びながら、自分のキャリアアップをしなくちゃいけない、ということでそういう機会も保証するべきだ、みたいな提案をする。
子どもと大人両方にこういう提案をするということです。
じゃあ、今プロットを見ていきましたけれども、それを答案の形にするとどうなるかということで、実際に立ち上げた答案を見ていきましょう。
読んでいきますね、最初はトピックセンテンスのほうです。
現在、日本は「格差社会」になりつつあると言われている。最近話題になっている書籍『21世紀の資本』によれば、すでに日本の貧困率はアメリカに次ぐ高さだという。
貧困(格差)はあまりにも広がると、社会不安を引き起こす。我々はこの問題に早急に取り組まなければならない。
ここは社会的文脈の引用です。
では、この問題を解決するためには、どうしたらよいか。
問題提起。
さまざまな解決策が求められるが、もっとも根幹に置くべきなのは、「教育の充実」である。
判断ですね。
なぜなら、教育のみが本質的な社会の流動性を生み出すことになるからだ(ができるからだ)。
根拠です。
一般的に所得格差によって社会階層は固定化される。低所得層の子どもは十分な教育が受けられず、低所得者になる。逆に富裕層の子どもは十分な教育を受け、富裕者となる。しかし、もし低所得者の子どもに十分な教育を与えることができれば、この階層を逆転できる可能性が高くなるはずだ。
ここから提案になります。
たとえば片親家庭の子どもなどには今以上に教育に関する支援を与え、経済的なハンディを感じさせないようにするべきだろう。また、子どもだけでなく、成人にもキャリアアップのための教育を、経済的なことを考えずに受けられる機会を保証するべきである。
学習は今の自分をなりたい自分に近づける唯一の方法である。教育を充実させることで社会の流動性が高まり、格差社会の弊害も緩和できるはずである。
こんな形になります。
基本的に引用文が変わっているだけですね。
資料が与えられた時には資料を引用すればいいんですけども、もし無ければ自分の頭の中から社会的文脈を引っ張り出してきて、引用文に書くということね。
なおかつこの答案、もう一つポイントは問題提起ですね。
判断がいきなり下せない時には、一枚問題提起をかませて、それに対して判断を下すという形で答案をつくる、このパターンになるわけなんですね。
引用、判断、根拠、提案。
本当に使える小論文の型その1なんですけれども、この2つでどんな感じかというのは分かっていただけたんじゃないかなというふうに思います。
それでは次は、使える型その2、応答、根拠、提案・抱負を使った自由記述型、作文タイプのテーマのみの答案例の解説をしたいと思います。

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